どうして日本人の健康寿命は世界トップなのか?
「国民皆保険制度」という素晴らしい医療保険制度と、地域医療におけるその実践が、国民の健康に大きく貢献しています。本稿では、国民皆保険制度導入後、国民に優れた健康状態をもたらされた原因を、入手可能な統計データを用いて説明していきます。
ご存知のとおり、日本の女性は現在、世界で最も長い健康寿命を享受しています。これは1980年代後半に達成されたもので、戦後間もない頃の平均寿命55歳から大きく伸びています。この高度経済成長期を経て、日本は世界の先進国を追い抜き、その後もトップを走り続けています。日本の男性も同様の状況にあります。
ではここで疑問ですが、どうやって世界で最高の健康寿命を実現したのでしょうか?人の健康は、どのような要因で決まるのでしょうか?遺伝や加齢に関連するリスクファクターが認識されているにもかかわらず、日本人には長寿をもたらす特定の遺伝子がないことが明らかになっています。
次に、食事や運動、喫煙などの生活習慣の違いはどうでしょうか?これらは、貧困や生活環境、社会のつながりといった「上流」の社会的変数に影響されます。こうした要素はすべて、国民皆保険制度を含む国の制度によって、より高いレベルで管理されています。
私の研究は、このような社会的変数が健康にどのような影響を与えているかに主眼を置いています。日本人が実際にここまで健康なのはなぜなのか?できる限り客観的なデータを用いて、戦後の日本における健康状態の変化を3つの時代に分けて説明します。その上で、「今、私たちはどのような健康問題を抱えているのか?そしてそれにどのように対処すべきなのか?」という問いに答えようと思います。
1950年頃、戦後の復興と大きな経済発展が始まりました。同時に、いわゆる「マンモス団地」が全国各地に出現し始めました。この頃、健康に関する法律が数多く制定されました。
例えば、政府はX線検査の増加などの予防措置を後押し。1951年には、結核の治療費が無料になり、1961年には国民皆保険制度が導入されました。
一方で、精度は存在するだけでは機能しません。研修医、医師、医療従事者が一丸となり、新しい制度の先駆者として検診などを推進してきたのです。
その結果、病院や助産施設で出産する女性の数が飛躍的に増え、衛生環境も大きく改善されました。この時期の平均寿命の伸びには、成人の結核死亡率の低下が大きく影響しています。調査によると、これにより女性の平均寿命が2年以上も改善されたといいます。
また、感染症による新生児の死亡率が減少したことで、平均寿命が2〜3年延びました。これは男性にも女性にも同じ傾向が見られました。